(旧ブログからの転載記事)

会社につとめていると、「社長」という存在はやっぱり特別な存在として距離を自然にとってしまっている方は意外に多いと思います。それは仕方のないことですよね。会社という組織の中で経営の決定権を握っている存在なのだから……。

給料などの待遇面はもちろん、仕事の役割や、社内での立ち位置、取引先へのアプローチ方法など、何をするにも「社長」の許可が必要になってくるのが会社と いえます。大手企業になると、経営陣も多くなり、それぞれの決裁権を持ち、このような事象は社長が自ら決済しなくなることもたくさんありますが、どんな形 になったとはいえ、代表権をもつ社長というのは、やはり特別な存在です。

とくに、「筆頭株主=代表取締役」という形態が多い中小企業になれば尚更でしょう。

その様な、社内での絶対的な権限は、社長自身に時には魔法使いにでもなったかの様な気分にさせ、時には神様になったかの様な気分にさせてしまう事も少なく ありません。そして、そんな存在だからこそ「スタッフ」は、やはり腫れ物にふれるような、接し方にどうしてもなってしまう。それは仕方ないと思います。 やっぱり不都合な事が自分に起こってほしくないというのは、ごく自然な人間心理なのですから。

こんな環境は、とてもまずい状況をつくってしまいます。

ひとつは、社長自身が「裸の王様化」してしまうこと。
あまりの権限に浮かれ、イエスマンに固められることで、自己の過大評価と勘違いが発生してしまい、現実とのギャップが激しくなってしまう環境を構築してしまう。
もうひとつは、「裸の王様化」してしまったことで、スタッフと社長との間に心理的な埋める事ができない溝やストレスが出来てしまう事。

もうこのような環境になってしまうと、後の祭りで社長はどんどん孤立していってしまうのです。負のスパイラルが発生し、どんどん状況は悪化してしまいま す。それまで凄く和気あいあいと楽しく仕事をしていたのに、社長があらわれただけで、空気が緊張状態になり激しく雰囲気が悪くなるというのは、サラリーマ ンやOLの方なら誰でも経験したことがあるのではないでしょうか??

社長も馬鹿ではありません。
そりゃそうです。起業出来るわけですから。
どんなに裸の王様化してしまっても、自分が孤立してしまっていることは、空気でわかっています。むしろ雇用されている一般の方よりも敏感にそのあたりは感じ取っているはずです。

そこでいたたまれなくなり、社長さんは、
「自分が喰わせてやっているのに、あいつらは何もわかっちゃいない……。」
こう思ってしまうんです。

ようは、どうして認めてくれないんだ。と落胆してしまうんです。
言い換えると「認めてほしい」という意外にもシンプルな欲をサラリーマンやOLの皆さんと同じ様にもっているんです。それを必要以上に求めがちなのも社長さんという立場の特徴の一つといえると思います。

それも仕方ありません。

上場企業などの「企業」そのものが担保にならない会社の社長には「無限責任」という大きな責任が与えらるのです。これはどういう事かというと、何かの事象 が起こり、会社が倒産したとします。そこで発生した負債などはすべて代表取締役が負わなくてはならないというようなことと考えて頂ければ分りやすいのでは ないかなと思います。そういったリスクにプラスして、スタッフの皆さんの将来を守るという大きな使命も背負い込むわけなんです。これは、やってみないとわ からないと断言出来るくらい、とてつもないプレッシャーです。

そんなプレッシャーと日々戦うには、どうしてもエネルギーが必要です。
そのエネルギーは、「金持ちになりたい」「名声をかちとりたい」などの野心から生まれたりします。ただそれだけでは足りない時があり、そういう時に身内であるスタッフから「尊敬される」「感謝される」などという側面からおぎなおうという心理が働くのです。

そして、求めても求めてみたされない環境になると社長さんは、いよいよ「暴走社長」と化してしまうんです。

「暴走社長」はもう誰もとめられません……。
社員の提言などは一切受け付けず、鶴の一声を出し続ける。
人の評価が出来なくなり、賃金など待遇面も冷遇しはじめる。
そして、環境悪化に伴って退職するスタッフをみてもどこ吹く風。
かわりに、自分は豪遊三昧。キャバクラ、風俗、愛人のコンボプレーは当たり前。
もう本当に誰もとめられません。

こんな社長さんの下で働いた経験があるという方もたくさんいると思います。
「暴走社長」は、出来上がるして出来上がってしまっているんです。

お互いの立場を相互理解する環境。
それさえあれば、「暴走社長」は生まれないんです。
でも、その環境作りが実に難しいんです。

それには、深いわけがありますが、
また次回へ。

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