デザイナーとしての喜びとは。


(旧ブログからの転載記事)
前回の日記「良いデザイナーでいるためには」の続きです。

長く良いデザイナーであり続けるには自分の良さをたくさんつたえてもらうこと。

そう前回の日記で書かせていただきました。
これを実現するには、心から信頼できる人とデザインの話をするということが前提になってしまいます。デザインという、特殊な世界のことがある程度わかり、心に届く会話が出来る存在。考えただけでもハードルは高いですよね

簡単にはやっぱり見つからないかもしれませんね。
でも地道に探していけば必ず、いると思います。自分から探さなければ見つからないということも確実にいえると思います。

ただ、それ以外にもたくさんの心に残る言葉というのは、デザイナーはもらっているんです。でも、そういう言葉が自分の中で時間と共に風化してしまっているんです。これを思い出すことが出来るだけで、かなり自分の歩んできた軌跡というものを信じていけるのではないかと思う次第なのでした。

今回は、そんな何気ない言葉に焦点を絞って綴りたいと思います。

わたしは、会社員の時から比較的規模の小さな会社に勤めていたのと、現在の自分の会社もひっそりと経営しているということもあり、今まで協力させて頂いたクライアントさんは非常に規模感がばらけています。上場企業もあれば、一人で経営されている個人会社などなど。本当に十人十色のケースでお手伝いさせて頂きました。

比較的小規模で経営されている、会社さんのグラフィックを担当させてもらった時、とても素晴らしい言葉をいただけました。

「家族によろこばれたんだよ〜」
「お父さんの仕事ってかっこいいんだね。っていわれちゃったよ〜」
「子供が喜ぶと嬉しいよなあ。小さい会社だけど、がんばってきたかいがあったなあ……。」

そういう言葉を頂いたことがありました。そして、
「本当にありがとう。お願いしてよかったよ。」
と言っていただけたのです。

何気ないエピソードなんですけど、わたしの記憶には鮮明にこの時のことが残っています。役にたててよかったなと、今でも思い出すと強くそう思うのです。本来、プロというのは作ったものが何らかの成果をあげなくてはなりません。そしてその成果というのは、クライアントの経営戦略によって導きだされているのが通例です。

でも、こういう役立ち方というか貢献の仕方もあるんだなって、そのとき思えたんです。社長さんのメンタルケアになって、気持ちよく仕事をしてもえ、結果業績アップにつながるのではないか。そんな感覚を持てたんですよね。

そう思うことで、本当に何気ない会話の「感謝の言葉」が、私の中で大きな価値をもったものとなりました。言葉は、ちょっとその裏にあるストーリーを感じてあげるだけでこれだけ大きく価値が変わるんです。

プロにとって、感謝の言葉というのは、最高の「褒め言葉」なんです。

素敵な褒め言葉を風化させないために、そのバックヤードを感じてくれるといいと思います。そうすることで、しっかりと自分の記憶に刻まれて、苦しくなったときや迷ったときに自分の功績を振り返ることが冷静にできるようになると思います。

プロとして歩んできた時間というのは、必然です。
積み重ねの時間には、きっとたくさんの真実があると思うので、そんな宝物を大切にしていってもらいながら、日々の激務に立ち向かっていってもらえたらと思う今日この頃です。ちょっとおやじくさい日記でしたw


“デザイナーとしての喜びとは。” への2件のフィードバック

  1. 学校でデザイナーの仕事をされている方の、
    喜びについて調べていたら、このサイトを発見しました。

    プロのデザイナーさんの喜びが、
    依頼者の方に喜んでもらえたことや、褒めていただいたということに、
    とても感動しました!

    デザイナーとしての、苦労などがあると思いますが、
    これからも頑張ってください。

  2. kyrさん

    はじめまして。
    コメントありがとうございます!

    何気なく書いたブログに、こうして共感していただけて本当に嬉しいです。
    書いてよかったな〜って思います!とても勇気頂けました。ありがとうございます。

    デザインの勉強されているんですか?

    クリエイティブの仕事は、自分との戦いの部分が多かったりしますが、そんな辛さがクライアントさんや見て頂いた方に喜んで頂けることで、すーっとスッキリできてとてもやりがいや喜びを感じることが出来る仕事です。

    この喜びを胸にまた頑張ってデザインしていきます!
    これからも、たくさんの喜びをつくれるようにがんばりますね。ありがとうございました!

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